概要
つくばインターナショナルスクール（Tsukuba International School、TIS）は、日本の茨城県つくば市にあるインターナショナルスクールです。1992年に設立され、幼稚園から高校までの一貫教育を提供しており、国際バカロレア（IB）認定校として知られています。TISは、PYP（初等教育プログラム）、MYP（中等教育プログラム）、DP（ディプロマプログラム）を採用しており、グローバルな視野と批判的思考を持つ生徒の育成を目指しています。
TISはつくばの自然豊かな環境を活かし、探究型学習やプロジェクトベースの学習を通じて、生徒が主体的に学べる教育を実施しています。また、多様な文化背景を持つ教師陣と生徒が在籍し、英語での学びを通じて、国際的なコミュニケーションスキルが養われます。
教育内容
つくばインターナショナルスクール（Tsukuba International School、TIS）は、日本国内でも数少ない国際バカロレア（IB）一貫教育を提供する学校であり、初等から高等までのIBプログラムを採用しています。TISは、国際的な視野を持つ生徒の育成を目指し、探究型学習やプロジェクトベースのアプローチを重視しています。以下に、各学年の教育内容と特徴を詳述します。
初等教育プログラム（PYP: Primary Years Programme）
初等教育プログラム（PYP）は幼稚園から小学校5年生に相当する年齢の生徒を対象としており、自己探求と実践的な学びを重視したカリキュラムが特徴です。PYPでは、「どのように学ぶか」を中心に、好奇心を持ち、自ら問いを立て、問題解決に挑む力を育成します。主要科目は英語、数学、科学、社会、アート、体育などであり、それぞれの科目を統合し、実生活に関連付けたテーマを中心に学びます。特にコミュニケーション能力と国際理解を深めることが目的で、毎日の授業が英語で行われ、外国語として日本語も学びます。TISのPYPでは、生徒一人ひとりの興味関心を活かした学びが促進され、主体的かつ創造的なアプローチをとることが奨励されます。
中等教育プログラム（MYP: Middle Years Programme）
中等教育プログラム（MYP）は、11歳から16歳の生徒を対象とし、批判的思考力や問題解決能力の向上を重視しています。MYPは、学問的な深さと幅を持つカリキュラムが特徴で、英語、数学、科学、社会、芸術、体育、デザインなどの科目が含まれます。生徒は学びを通じて異なる分野の知識を統合し、現代社会の問題や課題に向き合うスキルを身につけます。また、MYPには「サービス学習」と呼ばれるコミュニティに貢献する活動が組み込まれており、社会的な責任感とリーダーシップの発展も目指します。TISのMYPは、ICT（情報通信技術）も積極的に活用し、生徒がデジタルリテラシーを身につけると同時に、グローバルな視野で物事を考える力を育成します。
ディプロマプログラム（DP: Diploma Programme）
ディプロマプログラム（DP）は、16歳から19歳の生徒を対象とする2年間のプログラムで、大学進学を視野に入れた学術的に高度な内容が特徴です。DPの生徒は、6つの主要な科目群（言語と文学、外国語、個人と社会、実験科学、数学、アート）から1科目ずつを選択し、専門的に学びます。さらに、「知の理論（TOK）」「創造・活動・奉仕（CAS）」「課題論文（EE）」と呼ばれる必修の要素がDPに組み込まれ、これにより単なる知識の習得だけでなく、批判的思考、創造的な実践、自己管理、倫理的な視点を持った学びが促進されます。DPを修了した生徒は、世界中の名門大学への進学が可能であり、TISのDP卒業生も国内外で進学実績を上げています。
探究型学習とプロジェクトベースのアプローチ
TISのすべての学年では、探究型学習（Inquiry-based Learning）とプロジェクトベースの学習が取り入れられています。生徒が自身の興味を探求し、自ら質問を立て、その答えを導く力を育むことがこの学びの中心です。生徒は教科書に頼るのではなく、実際の生活や身の回りの現象を題材にして学習を進めるため、知識が現実にどう活用されるかを理解しやすくなります。
多文化共生と国際理解の促進
TISは、多様な文化背景を持つ教師と生徒が在籍しており、互いの違いを尊重する環境が整えられています。国際理解と多文化共生が教育の根底にあるため、生徒は異文化に対する理解を深め、グローバルシティズンシップの意識を持つようになります。また、国際色豊かなイベントや文化交流プログラムも積極的に実施され、互いの価値観や視点を学ぶ機会が多く提供されています。
英語と日本語のバイリンガル教育
TISの教育は英語で行われますが、日本語も重要な科目として扱われています。日本在住の生徒も多いため、英語と日本語のバイリンガル教育を推進し、両言語でのリテラシーとコミュニケーションスキルがバランス良く育まれるよう工夫されています。英語が母語でない生徒には英語サポートが用意され、個々の語学レベルに応じた学習が可能です。
教員
つくばインターナショナルスクール（Tsukuba International School、TIS）の教員は、生徒の多様なニーズに応じた教育を提供するために、国際的な視点と専門知識を備えた多国籍な人材で構成されています。TISの教育目標である「国際理解の育成」と「学問的探究心の促進」を達成するため、教員は探究型学習やプロジェクトベースの学習における豊富な知識と経験を持ち、常に生徒の興味と関心を引き出す指導に努めています。
国際バカロレア（IB）認定教員の配置
TISは、国際バカロレア（IB）プログラムの認定校であり、初等部から高等部までのすべての学年においてIB教育を提供しています。このため、教員はIBのトレーニングを受けたIB認定教員が多く、IB教育に必要な「探究型学習」「批判的思考の育成」「学問的好奇心の喚起」といったIBの教育目標に沿った指導が行われています。IBプログラムの学習指導では、単なる知識の伝達にとどまらず、生徒が自ら質問を立て、リサーチを通じて答えを見つけ出すためのガイド役としての役割を果たすことが求められます。
多国籍で多文化的な教員陣
TISの教員は、世界各国から集まっており、さまざまな文化的背景と教育経験を持っています。これにより、生徒は異文化理解と国際的な視野を自然に身につけることができ、互いに尊重し合う環境が構築されています。TISは、生徒に多様な視点からの学びを提供することを重視しており、教員一人ひとりの経験やバックグラウンドがその実現に貢献しています。また、多国籍な教員陣の存在により、授業内での視野が広がり、異なる文化や価値観に対する理解も深められる環境が整っています。
専門分野における豊富な経験と知識
TISの教員は、英語、数学、科学、社会、芸術、体育などの主要教科の分野で高い専門性を持っています。特に高等部におけるディプロマプログラム（DP）では、生徒が専門的な知識を深める必要があるため、各科目を担当する教員は高度な専門知識と教育経験が求められます。例えば、科学の教員は研究や実験に精通しており、理論を教えるだけでなく、生徒が実験を通じて理解を深める活動をサポートします。同様に、芸術の教員は創造的なプロジェクトを通じて、生徒が自分の表現方法を発見し、発展させる機会を提供しています。
探究型学習の促進とサポート役としての教員
TISでは、教員が「ファシリテーター」としての役割を果たし、学びのプロセスを生徒と共に探求する姿勢が重視されています。これは、特にIBプログラムの特徴である「探究型学習」において重要です。教員は、生徒が自ら問いを立て、それに対する答えを自ら見つけ出すようサポートします。単に指示を与えるのではなく、生徒が課題に取り組む中で直面する疑問や困難を一緒に考え、適切な指導を行うことで、生徒の自立心と批判的思考力を育てます。また、プロジェクトベースの学習では、生徒が実際のプロジェクトを通じて学ぶため、教員はそのプロセスをサポートし、必要なリソースや知識を提供しています。
英語と日本語のバイリンガル教育サポート
TISの教育は基本的に英語で行われますが、日本人の生徒も多いため、日本語の教員も在籍しており、両言語での学びをサポートしています。英語が母語でない生徒に対しては、英語のサポートクラスも提供され、個々の生徒の言語能力に応じたサポートが行われています。また、日本語クラスを通じて日本語のリテラシーも強化され、日本文化への理解を深める機会も提供しています。
施設・設備
つくばインターナショナルスクール（Tsukuba International School、TIS）は、学生が多様な学びと成長を促進できるように、最新の教育環境を提供するために設計された多彩な施設と設備を備えています。TISは自然豊かなつくば市のキャンパスに位置し、広大な敷地を活用して生徒たちに多角的な教育経験を提供するための環境が整っています。
教室と学習スペース
TISの各教室は、個別の学びと共同学習の両方を支援できるような設計がされています。自然光を多く取り入れる設計で、快適で集中しやすい環境を整えており、ICT設備やスマートボードを用いたインタラクティブな授業が可能です。また、各教室にはプロジェクトワークやプレゼンテーションに使用できる可動式の机や椅子が配置され、柔軟なレイアウトに対応できるようになっています。幼児教育から高等教育までの各年齢層に適した学びを提供するため、年齢やカリキュラムのニーズに合わせた教室環境が整えられています。
図書館とリサーチセンター
TISの図書館は、豊富な蔵書とリサーチリソースを備えており、生徒が学問的に深い探求を行えるよう支援しています。各学年に対応する幅広い分野の書籍、雑誌、デジタルリソースが揃っており、学問的なリサーチスキルの育成に役立つ環境が整っています。また、図書館は自学自習やグループスタディにも活用されており、静かな学習スペースとリサーチエリアに分かれているため、生徒が目的に応じて利用できる設計となっています。定期的にリサーチ指導や図書館活用方法に関するワークショップも開催され、リサーチスキル向上を図っています。
サイエンスラボと実験施設
科学教育を重視するTISには、専門的なサイエンスラボが設置されています。実験を通じた学びを重視しており、化学、生物、物理などの実験が安全かつ効果的に行えるよう、安全装備や最新の実験器具が整備されています。また、サイエンスラボは生徒が探求心を育むためのスペースとしても機能しており、教師が生徒の興味を引き出し、学問的探求をサポートするためのリソースが充実しています。特に高等部の生徒向けには、より高度な実験が可能な設備も備わっており、IBプログラムのディプロマプログラム（DP）のサイエンスカリキュラムにも対応できる設計となっています。
学費
つくばインターナショナルスクール（Tsukuba International School、TIS）の学費は、幼児から高校生までの学年によって異なり、また入学時の費用、年間の授業料、諸費用など、さまざまな項目で構成されています。以下、主な学費と関連費用について詳しく解説します。学費は、おおよそ以下のように構成されていますが、正確な金額は毎年度見直されることがあるため、最新の情報は学校の公式ウェブサイトや入学案内をご確認ください。
入学金と初期費用
つくばインターナショナルスクールに入学する際には、申込料や登録料などの初期費用が発生します。登録料は新入生に必要な手続きの一部で、基本的に毎年度更新は不要です。
- 申込料：20,000円程度
- 登録料：80,000円程度
- 施設費：年間150,000円
授業料
TISの授業料は、学年やプログラムに応じて設定されており、国際的な教育水準に合わせた金額が設定されています。幼児教育（Early Years）から小・中・高校生向けの各教育段階で学費は異なり、年齢や教育内容の違いにより段階的に増加します。特にIBプログラムの高等部（Diploma Programme）では、専門的な指導やリソースを提供するための追加費用も含まれています。また、授業料は基本的に年額で設定されていますが、学期ごとの分割払いが可能な場合もあります。
- 幼児部（Early Years）：年間約1,320,000円
- 小学校部（Primary School）：年間約1,320,000円
- 中等部（Middle School）：年間約1,320,000円
- 高等部（High School, Diploma Programme）：年間約1,440,000円
施設維持費
施設維持費は、学内のインフラや設備のメンテナンス、更新、改善に充てられる費用です。この費用は年間ごとに徴収され、教室の改装や新しい教材の購入、体育館や図書館といった共用施設の管理・改善に役立てられています。つくばインターナショナルスクールでは、学習環境を常に最新かつ快適な状態に保つことを目指しており、こうした設備維持費用を通じて、学びの質を高めるための環境整備を行っています。
- 施設維持費：年間約150,000円
教材費とテクノロジー費
TISでは、学生の学びを支えるための教材費やテクノロジー費も必要となります。教材費は、教科書や学習キット、実験機材の購入などに充てられ、生徒が質の高い教材で学べるよう配慮されています。また、テクノロジー費は、タブレットやコンピュータの管理、ICTインフラの整備に使用され、特に高等学年になるとデジタル教材の利用が増えるため、ICT環境の維持が重要です。これにより、生徒はデジタルスキルを育むことができ、21世紀の学習に対応した教育環境が提供されています。
- 教材費：年間約180,000円
アクティビティ費と課外活動費
TISでは、カリキュラム外のさまざまな活動が提供されており、それらの活動にかかる費用も別途発生します。アクティビティ費には、スポーツ大会、音楽や演劇のワークショップ、フィールドトリップの費用が含まれます。また、特定のクラブ活動や課外プログラムへの参加費も必要となることがあり、生徒の多様な興味や才能を伸ばすための充実したプログラムが提供されています。
- アクティビティ費：プログラムによって異なり、フィールドトリップや特別ワークショップごとに数千円〜数万円程度
- 課外活動費：クラブやスポーツ活動などで発生することがある
通学費
通学に関しては、スクールバスを利用する生徒に対してバス代が発生します。スクールバスの利用料金は、ルートや距離に応じて異なることが多く、安全かつ効率的な通学手段を提供しています。
- スクールバス代：ルートにより異なり、月額約10,000〜20,000円
支払い方法と割引制度
TISでは、学費の支払い方法として一括払い、分割払いのオプションが提供されています。また、兄弟姉妹が同時に在籍する場合には割引制度が適用される場合があり、家族の負担を軽減する配慮がなされています。このような柔軟な支払いプランは、家庭の事情に合わせた資金計画を立てやすくしています。
実績
つくばインターナショナルスクール（Tsukuba International School、TIS）は、国際バカロレア（IB）プログラムに基づいた教育を提供しており、そのカリキュラムは国内外の大学進学において優れた実績を挙げています。特に高等部でのIBディプロマ・プログラム（DP）は、国際的に認められた資格であり、多くの大学がこのディプロマを入学要件として重視しています。TISの卒業生は、日本国内外の名門大学に進学する実績を持ち、グローバルな視点や批判的思考、探求心といった学びを通じた強みが進学先で評価されています。
国内大学への進学実績
つくばインターナショナルスクールの卒業生は、日本国内の大学進学においても高い評価を受けています。主な進学先として、国際的な教育機関として知られる上智大学、早稲田大学、国際教養大学などがあります。これらの大学は、IBディプロマを取得した学生を積極的に受け入れるため、TISの卒業生がアドミッションオフィス経由で応募するケースが多く見られます。また、国公立大学や東京大学などの一部学部でもIB資格を活用した入学制度を提供しており、こうした選択肢により、日本国内の優れた教育機関への進学が実現されています。
海外大学への進学実績
つくばインターナショナルスクールは、IBディプロマ・プログラムが国際的に広く認知されていることから、欧米やアジアを含む世界各国の大学進学でも高い実績を誇ります。卒業生の進学先としては、アメリカの名門大学であるカリフォルニア大学（UC系列）、ボストン大学、ニューヨーク大学など、イギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学といったトップ校も例年リストに含まれます。また、アジア圏ではシンガポール国立大学や香港大学、韓国の延世大学など、多様な国際的学術機関への進学も見られます。これらの大学は、IBディプロマ取得者に奨学金や優遇措置を提供する場合も多く、TISの卒業生が学びをさらに深めるための支援が充実しています。
IBディプロマ取得率と成績
TISの高等部では、IBディプロマ・プログラムに参加する生徒が多数を占め、ディプロマ取得率は毎年高水準を維持しています。特に優れた成績を収める生徒も多く、ディプロマスコアで満点近くを取得する卒業生もいます。IBの成績は45点満点で評価され、進学先の大学はこのスコアを基に入学許可や奨学金の有無を判断することが多いため、TISではディプロマ取得者の平均スコアを向上させるためのアカデミックサポートを充実させています。
進学サポート体制
TISでは、生徒一人ひとりの希望進路に沿った進学サポートが提供されています。進学カウンセラーが在籍し、生徒の興味やキャリアプランに基づいたカウンセリングを実施し、大学の選定や出願手続き、エッセイや面接のサポートを行っています。また、卒業生が在籍する大学を招いた説明会や、OB・OGによる進学体験談のシェアなども行われており、最新の進学情報をもとにしたアドバイスが提供されます。これにより、生徒が自分に最適な進路を選択しやすい環境が整えられています。
進学先での評価とキャリアの広がり
TISの卒業生は、進学先の大学でもその学びとスキルが高く評価され、インターンシップやリーダーシッププログラムに参加する機会が多く提供されています。IBディプロマで培ったリサーチスキル、問題解決能力、論理的思考力は、大学の学問的な場面だけでなく、社会での活動にも役立ち、卒業後のキャリア形成においても強みとなります。特に国際機関や多国籍企業での採用にも有利に働くことが多く、卒業生は広範な分野で活躍しています。
まとめ
つくばインターナショナルスクール（Tsukuba International School、TIS）は、日本の茨城県つくば市に位置し、幼児教育から高校までを対象とした国際バカロレア（IB）認定校です。TISはPrimary Years Programme（PYP）、Middle Years Programme（MYP）、Diploma Programme（DP）を提供し、探究型学習や批判的思考を重視する教育を展開しています。多様な文化と国籍の生徒が集い、グローバルな視点を養うことを目指しています。また、充実した進学サポートにより、卒業生は国内外の名門大学に進学しており、国際社会で活躍する人材育成を支援しています。
